はじめてのｘｘｘ。
**作品紹介ページ**
ジャンル：恋愛
作：風海南都
＊あらすじ＊
イケメンヘアスタイリスト「海渡」23歳。モテモテの店長…ついたあだ名は処女キラー。
田舎から上京し、入店したばかりの「花子」20歳。彼氏いない歴20年、失恋回数数知れず。処女。
天真爛漫、素直な田舎娘に振り回される海渡は……！
「Shorty！」＝ショーリィ（女の子・若い娘・魅力的な女・自分のガールフレンドを呼ぶときのフレーズ）で、これはスラングなんです。
ラッパーなんかが「ヘイ！ショーリィー！」なんていってるときは、自分の彼女の事だったりします。
＊はじめて＊
初体験・初同棲・初めての本気？
＊作者より作品についてひとこと＊
ラブコメタッチに始まりますが、ときどき涙の予定です。
海渡や花子と一緒にどきどきしたり泣いたりしてもらえたら嬉しいです。
この恋で二人が成長できるように見守ってあげてください。
＊いままでの代表作＊
マリリン（恋愛） ☆文芸社より発売中 URL：
Edge…（文学）
ラズベリードラゴン（恋愛）
＊作者HP&ブログ＊
HP 風海堂
＊主催者によるレビュー（批評あり）＊
初体験をするのは花子だろうから、海渡視点での展開ってどうなんだろう……。
開始前のそんな杞憂はふっとびました！文句なしでおもしろかったです。いや〜笑った笑った。
女性作者による男性視点の恋愛ストーリーは、ご都合主義の塊が多いのですが、この話は違いました。
「海渡みたいな男性もいそう」と思わせるリアリティを男性視点で表現する風海さんはすごいです。
特に二人がラブラブになるまでは飛びぬけてましたね。
主役（？）の花子のキャラや描写で笑わせるのはもちろんなんですが
（サイボーグのように眼鏡が点滅しているところとか）、
コブラのマーチのような小物遣いもたまらなかった（コブラのお菓子を想像して、さらに笑いでお腹が痛くなりました）。
コメディなのに、現実のような映像が頭に飛び込んでくるあたり、風海さんの描写力なのでしょう。
また、語り手である海渡が体験する「はじめて」のほうは、
読者に現実的な問題を提起してきます。
「どんなに好きでやりたい仕事でも、突き進めない事情を抱えて挫折することがある」。
花子が味わうこのピンチは、とてもシビアです。
どんな仕事でも、こういうピンチに出会いうるわけで、その挫折感たるや失恋よりひどいと思います。
（この、花子の苦しみと絶望は、もう少し書きこんでもよかったかなあ、と思います）
海渡が出会った「はじめて」は、
まさに「心から愛する人がピンチに陥った」という状況で、
結局ほとんどなんにもできなかった海渡は（現実、恋人にそういうことがあっても何もできない、というところもリアルです）、
一生をかけて花子に償ってほしいと思います。花子を幸せにするという形で（笑）
いやー、本当に素晴らしかったです。
「はじめて」テーマありきで、ストーリーを考えたとのことですが、ここまで素晴らしい作品が書けるなんてすごいです。
連載されている間、毎日が楽しかったです。
すでに出版されていらっしゃるとのことですが、ぜひプロとして活躍していただきたいです！
今後も期待しています。